フランスのアンティーク・フェアで見つけた
ZASSENHAUS 社の壁掛けコーヒーミルです。

（ キャニスター部分は、ドイツの陶器メーカーWachtersbach社製です）

クリーム色と朱色。

シンプルなフォルムに数本のライン。

ミル部分と背板の塗装の色具合が
あらかじめ経年を予想したかのような
陶器部分とのマッチ具合です。

蓋の塗装も剥がれ
もとはゴムが入っていただろう内側も

このさびれた感じに溶け込んで
このまま時を重ねていくのもいいかなと
感じるほど良い雰囲気になっています。

特筆すべきは
なんといっても刃です。

もともと胡椒や塩、スパイスや乾燥ハーブといった
香辛料のミルメーカーだったZASSENHAUS社。

香辛料が粉砕されたときに放出されるフレーバーとアロマを重んじ
コーヒーミルにも円錐形の特殊鋼製の鋭い刃を用いているとのこと。

また、軸がぶれないよう設計をすることで
均質な挽き加減を目指しているそうです。

根強い人気とは聞いていましたが
あぁ、これは楽しい。

ハンドルを回すと
刃がコーヒー豆をカットしている手応えが。

また、ハンドルにもバネなのでしょうか
カラカラとハンドルがひとりで走って行かないような
機構が入っているような音がします。

試し挽きの結果も
なかなかよい仕上がりでした。

背板の裏には
mouvement en acier forgé et fraisé
Nous garantissons ce moulin pour une durée illimitée

「鉄鋼製ムーブメント　無期限に保証」とフランス語の押印がありました。

ZASSENHAUS社は2006年に倒産（その後他社経由復活しているそうですが）
しているので

現在、無期限保証はされないと思われますが
その意気込みを保証する技術だったことが窺えます。

そしてコーヒー粉を受け止めるガラス器の差し込み口。

見えないところなのですが
両側ともにアーチ型に施した薄い鋼が
ストッパーとして入っているところもニクいです。

一般的に「ドイツ製」とその品質の良さをうたう理由を
感じられるお品物です。

ミル部分以外（*1）は分解・クリーニング・試し挽き済みです。

*1：ミル部分はネジ山保護目的にてばらしていません。
*2：発送の際は、全開（バネを緩めた状態）でお届けしますので
　　到着後お好みの位置にご調整ください。


サイズ：（背板） 長さ33.3cm 幅14.4cm
　　　　（陶器）高さ15.5cm 幅11.5cm 奥行9.5cm
　　　　（ハンドル）12.5cm
買付国：フランス
状態：ハンドルのサビ、木製蓋・ミル部分・背板の塗装剥がれ、陶器部分外側の貫入・着色、陶器部分内側の着色、粉を受けるガラス器外側の縁にカケがみられます。
買付時からのほんのりバニラフレーバーコーヒーの香り、試し挽きをしたことによるコーヒーの香りが残っています。